斗真も霊が見えるのだ。
おかげで、わかり合えることも多く、助かっている。
「ほら、どけ」
と斗真は真生の後頭部をぽんと叩き、資料室の中に入って行く。
だが、真生の側を通り過ぎようとした斗真は足を止め、真生を振り返った。
「なに?」
と見たが、
「いや……」
と小さく言った斗真は、足元の段ボールを避けながら、丸めた地図がたくさん放り込まれている箱を漁りに奥へと行った。
すぐに地図を抱えて出てきた斗真に、
「あっ、持つよっ」
と真生は言う。
その古臭い、カビた匂いのする地図に手を出したが、ぱし、と叩いて払われる。
「いい。
ひとりで抱えた方が楽だから」
「え、でも――」
「じゃあ、今度なにか奢れ」
と言われ、思わず、
「え~っ。
じゃあ、高いものについちゃったなー」
ともらして、睨まれた。
「うそうそ。
学食のコーヒー牛乳おごってあげるよ」
「あれ、甘いからいい」
と二人で言い合いながら、階段を上がる。
おかげで、わかり合えることも多く、助かっている。
「ほら、どけ」
と斗真は真生の後頭部をぽんと叩き、資料室の中に入って行く。
だが、真生の側を通り過ぎようとした斗真は足を止め、真生を振り返った。
「なに?」
と見たが、
「いや……」
と小さく言った斗真は、足元の段ボールを避けながら、丸めた地図がたくさん放り込まれている箱を漁りに奥へと行った。
すぐに地図を抱えて出てきた斗真に、
「あっ、持つよっ」
と真生は言う。
その古臭い、カビた匂いのする地図に手を出したが、ぱし、と叩いて払われる。
「いい。
ひとりで抱えた方が楽だから」
「え、でも――」
「じゃあ、今度なにか奢れ」
と言われ、思わず、
「え~っ。
じゃあ、高いものについちゃったなー」
ともらして、睨まれた。
「うそうそ。
学食のコーヒー牛乳おごってあげるよ」
「あれ、甘いからいい」
と二人で言い合いながら、階段を上がる。