いつか、あなたに恋をする――

「何故、これから過去に飛ぶ私が、あなたになにも言うなと言ったのか、私にはわかりますよ。

 たぶん……、

 私は、あなたと一から恋を始めてみたかったんですよ」

 どこが一かはわかりませんけどね、と真生は苦笑する。

 少なくとも自分が高坂に出会ったときには、もう、この恋は始まっていたのだから。

「二度目に会ったら、今度は後頭部に銃をつきつけられましたよ。

 あんなにやさしく私に触れてくれていたのに」

 あのとき、高坂の声を聞いて、びくついたのは、その声が斗真とそっくりだったからではない。

 その声が、ちょっと前まで自分の名前をやさしく呼んでいた声だったからだ。

「もうなにがなんだかわかりませんでしたよ」
と文句を言うと、高坂は、

「じゃあ、そう言えばよかったじゃないか」
と言ってくる。

 そんなこと言えるわけないじゃないですか、と真生は赤くなってみせた。

 あなた、さっきまで、やさしく私を抱き締めてくれてましたよね? なんて。