いつか、あなたに恋をする――

「なんで黙ってたんですか。

 私がランダムにこの時代に飛んでるの、知ってましたよね?」

 高坂は椅子に背を預け、言ってきた。

「お前が言うなと言ったからだ。

 最初の私は、見知らぬ時代に来たばかりで、仔ウサギのように震えているから、そっとしておいてって。

 誰が仔ウサギだ……」
と高坂は失礼なことを言ってくる。

「最初の私、か」
と真生は苦笑した。

「そのセリフ、私がこれから言うんでしょうね」

 覚えておきますよ、と真生は言った。

 真生、と名を呼び、高坂が立ち上がる。

 真生の手を引き、抱き寄せた。

「どの真生がいつの真生かわからないから、いつお前を抱きしめたりキスしたりしていいのかわからないじゃないか」
と文句を言ってくる。

 高坂は、そのままその腕で強く真生を抱きながらも、
「ま、少なくとも、仔ウサギなお前は一度も見てないがな」
とやはり失敬なことを言ってきた。