いつか、あなたに恋をする――

 それで、秋彦と関係を持った彼女は、彼に報酬を与えられ、命じられるがままに、高坂を殺そうとしていたのだろう。

「いろいろと教えてくれて、ありがとう。
 じゃあ、そのお金を持って、どこかへ行って」

「……殺さないの?」

「私、無駄な殺しはしないことにしてるから」
と言うと、女は笑う。

「あなた、本物ね」
と。

 どう本物なんだ、と思っていると、

「私なんて、ただの小遣い稼ぎだから。
 ありがたくいただいていくわ」
と屈む。

 その女の足許に真生は小瓶を落とした。

 割れたそれから染み出した液体が、金と女の靴を濡らす。

「なにするのよっ」

 女は金から手を離し、慌てて、足に飛び散ったそれをハンカチで拭き始めた。

 真生は笑い出す。

「そんなことしたら、余計広がるわよ」

 女が悔しそうに睨み上げてきたので、言った。