いつか、あなたに恋をする――

「あの男、今までにも何人か刺客を送ってるらしいわよ。

 でも、ことごとく、高坂とあの八咫という男に始末されているらしいわ」

「津田秋彦が、どうして、高坂さんを狙っているか、あなたは聞いた?」

「高坂にだけは、この病院の後を継がせたくないと言ってたわよ。

 母親がそう願って死んだらしいからね。

 秋彦の母親は高坂の病気が移って死んだそうじゃない。

 まあ、寝物語にちょっと聞いただけだけど」

「あなた、高坂さんの愛人じゃなかったの?」
と呆れて言うと、女は鼻で笑う。

「それは高坂の側に居るために、軍が与えた役割よ。
 本当にそうだったわけじゃないわ」

 あなたもそう? と訊いてくる女の目に、一瞬、憎しみのようなものが宿った。

「……まあ、そんな感じかしら」
と言うと、女の目からその色が薄らぐ。

 おや、と思った。

「おかしいわよね、あの男。
 こんないい女に手を出さないなんて」

 たぶん、この女は高坂が好きだったのだ。

 だから、自分に手を出さない高坂に腹を立てていた。