いつか、あなたに恋をする――

 高坂は特に気にする風でもなく、
「コンクリートで作れば大丈夫ってものでもないな。

 爆弾を落とされたらひとたまりもなかったか」
と淡々と呟く。

 昔は、コンクリートは永遠に崩れないと思われていたからな。

 真生はエスカレーターからパイプオルガンを見つめる高坂の横顔を見ていた。

 この人は、まるで、自分の未来がわかっているようだ、と思う。

 すべてわかっていて、おのれの命とその進む先を見据えているような――。

 だから、惹かれてしまうのだろうか。

 真生は自分の中にあるその感情を認めて思う。

 もう、残された時間はあまりない気がしていたからだ。

 どんなに引き延ばしても、その日はやってくる。

 少なくとも、創立記念祭の舞台では、あの曲を弾かねばならない。

 一応、信頼して選んでくれた理事長のために。

 そして、私をここへ飛ばし、高坂さんに会わせてくれた、越智哲治の望み通りに、あの曲を。