いつか、あなたに恋をする――

 だが、豪奢な建物よりも、着飾った人々よりも、真生の目を惹いたのは、中央ホールのバルコニーにあるパイプオルガンだった。

 今、学園にあるものとは違うが、パイプオルガンそのものが自分や高坂の運命を背負っている気がして、見ていると、胸が締め付けられるような心地がした。

 その真生の視線を追い、高坂が言う。

「うちにもあるぞ、パイプオルガン。
 あの今は立ち入り禁止になっている礼拝堂の中に」

「そのようですね……」

 私、弾いてますよ、とぼそりと真生は言った。

「パイプオルガンがまだあるのか?

 礼拝堂も?

 病院もお前の時代にも残っているのか?」

「ありますよ。
 今は看護学校を併設して、うちの学園の隣りにあります」

「今の建物と同じか?」

「いえ、爆撃で……」
と言いかけやめた。