いつか、あなたに恋をする――

「高坂さんもいいけど。手に入らない男より、ちょっと周りに自慢出来そうな物もらう方がいいでしょ。

 よろしくね。
 あんたが頼めば、高坂さん、きっとなんでも買ってくれるわよ」

 じゃあねー、と軽く手を振り、百合子は行ってしまった。

 いや、そんなに甘やかしてくれてるように見えますかね? と思いながら見送る。

 なんだかんだで、さっそうとした職業婦人だ。

 この人の未来はわからないけれど、この後始まるだろう戦争を生き抜いて、幸せに暮らして欲しい。

 あんな多江の姿を見たあとだけに、より一層、そう願った。