「ここにも少し服を置いているのよ」
自宅に置ききれないからね、と言いながら、昭子は院長室の横の納戸の戸を開けた。
「そういえば、病院にお住まいなわけじゃないんですよね」
と真生が言うと、
「当たり前じゃない。
そんな辛気くさいところに住みたがるのは、透さんくらいよ」
と言う。
しかも、廃病院の方ですしね、と思っていると、昭子は服を出しながら、
「……しゃあしゃあと、よく平気で暮らしているなとか思ってる?」
と言ってきた。
「あんなことをしておきながら、まるで何事もなかったみたいに幸せそうに」
「いや、いいんじゃないんですか? 別に。
まあ、津田秋彦氏がどこに消えたかはちょっと気になってるんですけどね」
と言うと、昭子は眉をひそめ、
「それは私も知らないわ」
と言ってきた。


