いつか、あなたに恋をする――

 あなたは仕事中では? と思ったのだが、

「軍から呼ばれたとでも言うさ。
 ついでに買い物してくるくらいいいだろう」

 百貨店に連れていってやる、と言う。

「あ、ありがとうございます」

 この時代の百貨店か。

 今の時代まで続いているものも多いが、この頃の方が豪奢そうだな。ちょっと覗いてみたいと思った。

 だが、気になることがある。

 外套を手に、さっさと支度を始める高坂を見ながら、

「あのー、私、今、そんなにしょぼくれた顔してました?」
と訊いてみる。

「してたな」

 あっさりと高坂は言う。

 自分があまりに辛気くさい顔をしていたから、連れ出してくれようとしたのだろう。