いつか、あなたに恋をする――

 せいぜい斗真が死体を持ち込んで、川原に捨てたてしまったのが困りごと。

 というくらいのもので。

 でも、過去の犠牲があって、今がある。

 真生は夏海たちの許に向かいながら振り返る。

 今、炎にまかれていた多江の姿を追うように。

 ふいに八咫の言葉が頭に蘇った。

『私たちは立ち止まる事は出来ない。

 お前の居た世界で、日本が負けているのなら、それはきっと、私たちの進む未来ではない』

 だが、そんな重苦しい決意に似た言葉も、チャイムと騒がしい生徒たちの声にすぐにかき消えてしまった。

「真生ーっ、キャベツーッ」

 叫ぶ夏海に、わかったわかった、と笑い、真生たちは教室へと急いだ。