いつか、あなたに恋をする――

 真生は目を伏せ言った。

「……もう、昔に死んでしまった人なのよ。
 ただ、上がってくれるよう、祈ってあげて」

 多江(たえ)だった。

 あの時代に行けば、今も可愛らしく笑って生きているのに。

 高坂は戦争が始まる前に、廃病院の爆発事故で亡くなったので、記録が残っているのだが。

 ここにあった病院が焼夷弾で焼かれて消えたのがいつなのか、戦時中の混乱により、わからなくなってしまっている。

 多江たちにそれを教えてあげることはできないし。

 高坂が言うように、教えたところで無駄なのだろう。

 ここまでの未来はもう確定してしまっている。

 教えたところで、結局はなにも覆くつがえせなかったということだ。

「あの廃病院の地下には軍の武器が隠してあったという噂があったらしいの。

 爆発はそのせいだろうと言われてるけど。

 高坂さんが死んだのは、本当に事故なんだろうかなと思うのよ」

 そう呟いた真生を斗真が見た。