いつか、あなたに恋をする――

 薄情ね、と腕を組んだまま見下ろし言うと、
「……お前、俺より鈍いな」
と言ってきた。

 いつものように小競り合いの喧嘩をしながら、図書室を出たとき、真生はふと、振り返った。

「小学生のときさ」

 真生たちの通っていた小学校は公立だが、この学園のすぐ側にあった。

「私、図書委員だったじゃない」

 覚えてる? 斗真、と図書室の扉を見ながら真生は言う。

「夕暮れどきに図書室を出たら、誰かの気配を感じたの。

 振り返ったけど、誰も居なくて――。

 でも、ふと気づいたら、夕陽に照らされた床に何か赤いものが落ちてたのよ」

 二、三滴の血のように見えた、と真生は言う。

 なんだかあの血が忘れられなくてさ、と言ったとき、真生は気づいた。

 いつものように包帯を巻いた兵士の後ろから、炎にまかれた者が来る。