いつか、あなたに恋をする――

「なによ、その目」
と察したように百合子が横目に見て言う。

「確かに私が無理矢理したんだけど、高坂さん、逃げなかったわ」

 それ、しちゃったうちに入るのかなあ。

 っていうか。
 いつもより精悍って、それ、もしかして、斗真じゃないですか? と思ったが、言わなかった。

「あんた、高坂さんとキスしたことあるの?」
「はい」

 しれっと言うと、なによ、もうっ、さすがは愛人ねっ、と怒り出す。

 いや、あなたが訊いたんじゃないですか、と思いながら、さっさと干して逃げた。

 が、屋上に上がる階段のところに、高坂が居るのに気がついた。

 聞いていたのか、と思い、赤くなる。

「……百合子さんを追い払うために言っただけですよ。
 追い払わない方がよかったですか?」
と言うと、いや、と言う。

 そのまま行こうとすると、腕を掴まれた。

 コンクリートの冷たい壁に押し付けられ、口づけられる。