焼け落ちた場所を抜け、足が、とん、と地面を踏んだとき、そのやわらかい感触にほっとした。

 冷たい夜の空気が息を切らした真生の肺に飛び込んでくる。

 それにしても、ここは……?

 目の前に小さな林のようなものがあり、その向こうに、白い大きな建物がある。

 あちらはコンクリートのようだった。

 なんだろう?

 何処かで見たような、と思いながら、その上にあるやけに明るい星空を見上げたとき、いきなり後ろから口を塞がれた。

 大きくがっしりとした男の手。

 そのはっきりとした骨太の指の感触に、これは霊ではないと真生は悟る。