いつか、あなたに恋をする――

「お父さんかしら、茉莉花(まりか)かしら。

 またご飯いらないって言うんじゃないでしょうね。

 もう用意したのにー」
と文句を言いながら下りて行く。

 斗真はアルバムをしまい、下に下りた。

 案の定、既に社会人になっている姉、茉莉花が今日も呑んで帰るから、夕食はいらないと言っているようだった。

「もう~、早く言ってよ、そういうことはー」
と文句を言う母親の横顔を眺めていた。

 まったく、と電話を切ったあとでこちらを見た母は、

「なにしてるの、斗真。
 ほら、ぼうっとしてないで。

 家事を手伝わない男はお嫁さんに大事にしてもらえないわよ。

 真生ちゃんにもらってもらえなかったらどうするの?

 あんたみたいな朴念仁(ぼくねんじん)、他に相手が見つかるとも思えないけど?」
と言ってくる。

 なんで俺が真生にもらってもらわなきゃいけないんだ、と思いながら、言われるがまま、茶碗と箸を出す。