子供の声は高いので、よく通る。
曽良の声は斗真の許まで届いていた。
「斗真、格好いいよなあ。
姉ちゃん、なんで、斗真と付き合わねえの」
自宅に帰った斗真は、部屋に入り、棚からアルバムを取り出す。
床に置き、それをめくっていた。
ノックの音がし、はい、と短く返事をすると、ドアが開く。
「斗真。
ご飯だって言ってるでしょ。早く食べて」
母親だった。
わかった、と言いながら、そのアルバムを閉じようとすると、上から覗き込んで言う。
「あー、おじいちゃんの還暦のお祝いのときね。
懐かしいわねえ。
お正月くらいしか、最近はもう集まれないし」
そのとき、下で電話が鳴った。


