今、男が居る場所の横に、ひとつだけ頑丈そうな扉がある。

 がっちりと霊も人も寄せ付けないように閉まっている朱色の鉄の扉だ。

 鉄板まで打ち付けられている。

 あそこはどうだろう?

 なにか他から切り離されている感じがする。

 だが、この霊を避けながらそこまで移動するのも難儀だし、今度はその部屋から逃げられなくなるかもしれない。

 第一、あの赤さが怖い。

 中には、この霊より怖いものが居るかもしれないし。

 大丈夫。
 そんなに長い廊下じゃないし。

 そんなことを思いながら、真生は一気に駆け抜ける。