初めてこの時代に迷い込んだあのとき、真生は男に襲われた。

 なんとか抵抗しようと、ベッドの上に散らばっていたガラス片を手探りで探す。

 だが、そのとき、いつも学園を這っているのと同じ男の霊が、真生の上にのしかかっている男の顔を見て言った。

『あれ? 俺が居るなあ……』

 その瞬間、予感は確信に変わった。

 そう。

 きっと、これから自分がこの男を殺すのだ、と。

『お前に殺された……』

 学園でも、男はいつも自分に向かい、そう言っていた。

 そのときは、誰にでも言っているのだろうと軽く考えていたが、そうではなかったようだ。

 どうせ決まっている事実なら、という思いもあり、襲いかかる男を真生は殺せた。

 男の首をガラス片で切ったのは、男に服を脱がされたあとだったので、幸い吹き出した血は制服にかからなくて済んだ。