お前だ……。

 お前に殺された……、真生。



「あの霊、今の学園にもまだ出るんですよ。
 しつこいですよね。

 死体はここから移動したんですが。

 ちょうど時空のひずみに入ったみたいで、よそへ飛んでっちゃって。

 よく考えたら、あの男の霊、殺す瞬間にはもう居ましたから。

 魂は死体に引っついたまま、更に過去に飛んでたんでしょうね」
と真生は言う。

 淡々と語っているように聞こえたかもしれない。

 だが、それは感情を殺しているからだ。

 真生はそっと腕に手をやった。

 あの赤い切り傷は、まだそこに残っていた。

 すべてが夢ではなかったという証(あかし)に――。