「そういえば、結局、津田秋彦はどこに行ったんでしょうね?
昭子さんは死んだと思っているようですが」
「……本当に死んでいるのか?」
と胡散臭げに言ってくる高坂に、
「津田秋彦は、院長になって、この病院の実権を握りたかったんでしょう?
それなら、今、この時期消えるのはおかしいです」
と言うと、
「院長になりたかったというか。
俺の邪魔をしたかったというかな」
と目を閉じ、高坂は語り出しす。
「津田秋彦の母親は、看護婦だったんだが。
うちの母親に婦長の座を取られ、院長の愛人の座を取られ。
まあ、愛人の座といっても、当時、あっちには旦那が居たはずなんだが――。
ともかく、秋彦は子供の頃から母親に刷り込まれていたようだ。
優秀な医師になって、この病院を乗っ取れと」
「それを今も律儀に守ってるんですか?」
昭子さんは死んだと思っているようですが」
「……本当に死んでいるのか?」
と胡散臭げに言ってくる高坂に、
「津田秋彦は、院長になって、この病院の実権を握りたかったんでしょう?
それなら、今、この時期消えるのはおかしいです」
と言うと、
「院長になりたかったというか。
俺の邪魔をしたかったというかな」
と目を閉じ、高坂は語り出しす。
「津田秋彦の母親は、看護婦だったんだが。
うちの母親に婦長の座を取られ、院長の愛人の座を取られ。
まあ、愛人の座といっても、当時、あっちには旦那が居たはずなんだが――。
ともかく、秋彦は子供の頃から母親に刷り込まれていたようだ。
優秀な医師になって、この病院を乗っ取れと」
「それを今も律儀に守ってるんですか?」