「ところで、昭子は最初、院長を殺したと思ってたんだろう?
穴にでも埋めて、素知らぬ顔をするという選択肢もあったのに、何故、わざわざ蘇らせようとしたんだろうな」
と八咫が言ってくる。
「殺した死体を蘇らせたら、自分のやった犯罪が消えるからじゃないですか?」
と真生はうっかり言って、
「……情緒がないぞ、真生」
と高坂に引かれてしまう。
「そこは、夫を殺して初めて、夫を愛していたことに気がついて、とか言えよ」
困った。
高坂さんの方がロマンチストなようだ、と思ったが、まあ、恐らく、その発想の違いは、彼と自分とでは、置かれている状況が違うからなのだろう。
……と思うことにした。
だが、そんな真生の言葉を八咫は鼻で笑う。
「殺した相手を生き返らせる、か。
それだけで、おのれの罪が消えると思うのか?
殺した感触は消えないだろうにな」
殺し屋家業の人が言うと、重みがあるな、と思いながら聞いていた。
穴にでも埋めて、素知らぬ顔をするという選択肢もあったのに、何故、わざわざ蘇らせようとしたんだろうな」
と八咫が言ってくる。
「殺した死体を蘇らせたら、自分のやった犯罪が消えるからじゃないですか?」
と真生はうっかり言って、
「……情緒がないぞ、真生」
と高坂に引かれてしまう。
「そこは、夫を殺して初めて、夫を愛していたことに気がついて、とか言えよ」
困った。
高坂さんの方がロマンチストなようだ、と思ったが、まあ、恐らく、その発想の違いは、彼と自分とでは、置かれている状況が違うからなのだろう。
……と思うことにした。
だが、そんな真生の言葉を八咫は鼻で笑う。
「殺した相手を生き返らせる、か。
それだけで、おのれの罪が消えると思うのか?
殺した感触は消えないだろうにな」
殺し屋家業の人が言うと、重みがあるな、と思いながら聞いていた。