相変わらずカーキ色の軍服を着ている彼に、そういえば、この人、他の服着てるの見たことないな、と真生は思っていた。
まるで、軍人ではない自分は存在しないとでもいうかのように――。
「それで、結局、あの院長は誰なんだ?」
真生たちの話を聞いていたらしい八咫がそう訊いてくる。
「あれは院長本人です」
と真生は言った。
「でも恐らく、院長は津田秋彦のフリをしています」
「昭子にまた撲殺されないようにか?」
と高坂が言う。
「違います。
まあ、殺しかけたのは昭子さんでしょうし。
彼女が怖いから、というのもあるかもしれませんが。
ともかく、院長本人であるというのは間違いないです」
そう真生は言った。
まるで、軍人ではない自分は存在しないとでもいうかのように――。
「それで、結局、あの院長は誰なんだ?」
真生たちの話を聞いていたらしい八咫がそう訊いてくる。
「あれは院長本人です」
と真生は言った。
「でも恐らく、院長は津田秋彦のフリをしています」
「昭子にまた撲殺されないようにか?」
と高坂が言う。
「違います。
まあ、殺しかけたのは昭子さんでしょうし。
彼女が怖いから、というのもあるかもしれませんが。
ともかく、院長本人であるというのは間違いないです」
そう真生は言った。