「生きてるんですかね?」
と真生は小首を傾げる。

「噂通り、あれは津田秋彦なのかもしれません」

「それなら、殺ったのは、昭子だろう」

「あなたが殺したところにうまく便乗したのかもしれないじゃないですか。

 昭子さんは院長の遺体を見つけ。

 院長が居なくなると、自分の立場が危うくなると思って、院長の身体に津田秋彦の魂を入れたとか」


 今の院長の言動は津田昭彦とよく似ていると聞きましたよ、と言うと、高坂は少し考える風な顔をし、

「お前は本当にそんなことができると思っているのか」
と言ってくる。

「ここは死者を蘇らせる病院なんでしょう?
 身体を蘇らせるときに、別の魂を入れることもできるんじゃないですか?」

 さあな、と言った高坂が、後ろの棚から真生に向かい、古い本を投げてくる。

 落としでもしようものなら、バラバラになりそうな代物だ。

 真生は慌てて受け止める。

「それが『蘇りの書』だ」

 えっ、と真生はカビ臭いその本を手に、息を呑んだ。