「……うかつにトイレにも行けませんね。
 って、これ、血とか染み込むんじゃないですか?」
と床を心配すると、

「大丈夫だ。
 既に、いろいろ染み込んでいる。

 薬品とか。
 細菌とか、ウイルスとか」
と言う。

「すみません。帰らせてください」
と言うと、どうやって帰る気だ、と笑われる。

 そのとき、高坂の手に包帯が巻いてあることに気がついた。