窓を閉めると、
「なんだ今のは」
と高坂が顔を上げ、言ってくる。

「あなたの愛人さん希望の方です」
と言うと、高坂はまた帳面に視線を落とし、

「愛人なら、お前で間に合っている」
と言ってくる。

 そのまま窓に背を預け、高坂の顔を見ていると、なんだ? と気配を感じたのか、こちらを見た。

 ああ、いえ……、と言ったときに気づいた。

 そういえば、絨毯の端の方がこんもりヒトガタにふくらんでいる。

 また霊かな、と思い、真生が手を伸ばすと、高坂は顔も上げずに、
「それは本物だ」
と言う。

 本物の死体だ、と高坂は言った。

 め、めくらなくてよかったっ、と真生は慌てて手を引っ込める。
「なんでこんなところにあるんですかっ」
とめくりかけた恐怖でつい、怒ったように言うと、

「知らん。
 さっき、お前がトイレに行ったときに、八咫が殺していった。

 持って帰れと言ったんだがな」
と高坂は軽く言う。