高坂の机の上にあったペーパーナイフだ。
いかほどの殺傷能力があるのか知らないが。
「いやいや、昨今、なかなか物騒ですからね」
と答えながら、そんなことより、今、百合子の真横で、見知らぬ男性の霊が一緒に膝を抱えて座っているのだが、いいのだろうかな、と思う。
まあ、本人見えてないからいいか、と思っていると、百合子はこちらを見上げ、
「……あんたここに泊まったのね」
と言ってくる。
「はい。他に寝るところもないので」
と言うと、百合子は爪を噛みながら言い出した。
「何故、高坂さんは私を愛人に選んでくれないのかしらね」
「それは、あなたが普通のちゃんとしたおうちのちゃんとしたお嬢さんだからでしょう」
と真生は答える。
いかほどの殺傷能力があるのか知らないが。
「いやいや、昨今、なかなか物騒ですからね」
と答えながら、そんなことより、今、百合子の真横で、見知らぬ男性の霊が一緒に膝を抱えて座っているのだが、いいのだろうかな、と思う。
まあ、本人見えてないからいいか、と思っていると、百合子はこちらを見上げ、
「……あんたここに泊まったのね」
と言ってくる。
「はい。他に寝るところもないので」
と言うと、百合子は爪を噛みながら言い出した。
「何故、高坂さんは私を愛人に選んでくれないのかしらね」
「それは、あなたが普通のちゃんとしたおうちのちゃんとしたお嬢さんだからでしょう」
と真生は答える。