『終わりなき世界のレクイエム』だ。

 だが、真生は、
「待って……」
と小さく口に出して言っていた。

 待って、お願い。

 あともう少し……。

 寂しげに始まり、緊迫していって、激しく終わるあの曲のラスト。

 それは、曾祖父の膝の上で聴いたものとは違っていた――。