心臓が嫌な音を立てた。
訊くのは怖かった。だけど訊かずにはいられなかった。私は口を開いた。
「3年1組のみんなは、生きていますか?」
「何……言ってるの……?」
私は先生の両腕を掴んだ。
「誰かひとりでも生きていませんか?」
「なんでそんなこと聞くのよ」
「お願いです。イエスかノーで答えてください。生きていませんか?」
先生は顔をそむけ、首を横に振った。
「そんな……」
足から力が抜け、ずるずるとその場に崩れ落ちた。
「凛々子さん、どうしたの? 大丈——……」
先生が私に向かって何か言っているけれど、その声は耳を素通りしていった。
あんなに一生懸命訴えたのに、未来が変わっていない。
誰も、
生きていない。
私の話を唯一信じ、修学旅行には行かないと約束してくれた唯人でさえも。