キーンコーンカーンコーン……
私の泣きじゃくる声に、チャイムの音が重なった。
弾かれたように壁掛け時計を見上げた。針は午後1時を指している。
と、次の瞬間。時計が強烈な光を発して輝き始めた。教室内が真っ白な光で覆われる。
「——……りこ……う……たの……」
みんなの声が遠ざかっていく。自分の意識が、未来に引き戻されようとしているのだとわかった。
うそ、なんで。
嫌だ! 戻りたくない!
光が激しさを増し、何も見えなくなった。
「みんな、どこ?」
必死に両腕を伸ばすも、私の手はむなしく宙を掴むだけだった。いくら手探りしても、何も掴めない。
ぐらりとめまいがした。すべての音が消え去り、一瞬、聴覚を失ったように耳の奥がしんとなった。