結局、お母さんにも今日起こったことを言えなかった。


言ったらきっと、余計に心配をかけてしまう。


私は仰向けになり、天井に向かって大きな溜め息を吐いた。


唯人の腕のぬくもりが、まだ身体に残っている。みんなの顔が、みんなの声が、この目と耳にはっきりと残っている。


夢でも何でもいいから、もう一度みんなに会いたい。


会って今度こそは……


ベットに横たわっていたら、それまで忘れていた疲労感がどっと押し寄せてきた。まぶたが重力に逆らえなくなって下りてくる。


眠りに落ちていく中、暗い井戸の底に引きずり込まれるような、どうしようもない孤独感と寂しさに襲われた。


閉じた目から新たな涙が溢れ出し、こめかみを伝い、流れ、枕に染み込んでいった。