空の上から唯人が……


“私の太陽”が、照らしてくれているような気がした。


唯人だけじゃない。智ちゃんも、沙恵ちゃんも、和也くんも。みんな、私のことを空の上から温かく見守ってくれている。


目を閉じると、窓から降り注ぐ柔らかな光が、私を優しく抱き締める大きな腕のように感じられた。


みんなとの別れは途方もなく悲しく、つらかったけれど、それ以上にみんなは私に、生きていることの素晴らしさを教えてくれた。


旧校舎はまもなく取り壊されてしまうけれど、私は失った笑顔を取り戻すことができた。


かけがえのない思い出をたくさんくれたこの校舎に、教室に、ありがとうって伝えたい。




そして、これで本当の本当に、


さようなら——




私は窓を開け放ち、手の中の新聞記事をびりびりと破った。細かく千切った紙を宙に放つと、それはまるで白い雪のようにはらはらと舞い落ちていった。


校舎の窓から紙くずを撒き散らすなんて、生まれて初めてやった。そしてこんなことは、この先二度とやらないだろうと思った。