それからしばらくして、両手に大きなビニール袋を持った信広さんが戻ってきた。
「お待たせしました。母さんは?」
「友達が屋台を出してるみたいで、ちょっと挨拶しにいってくるって言ってました。たこやきはあとでいただくって」
「そっか。じゃあ俺たちは冷める前に、先に食べちゃいましょうか」
「そうですね」
信広さんはベンチに腰を下ろすと、買ってきた屋台飯を袋から取り出して私たちの間に置いていった。
注文したたこやきだけではなく、やきそば、焼きとうもろこし、フランクフルト、ベビーカステラやチョコバナナもいくつかパックに入っていた。
「美味しそうだったので、つい買いすぎてしまいました。よかったらたこやき以外のものも食べてください」
「ふふっ、ありがとうございます」
思わず笑いがこぼれた。
美味しそうで買いすぎちゃっただなんて、ちょっと可愛い。