残ったのは私とライのふたりだけ。

静かになると、ライがホッとした様に息を吐いた。

「助かった。あいつら急に変なこと言い出すから焦ったよ」

すっかり解放されたと思っている様で、安心の笑顔を浮かべている。

そんなライに、私はニヤリと笑いながら言った。

「あら助かったと思うのは早いわよ。次は私から質問するんだから」

「はあ?」


ライは、唖然として声をあげる。私は構わず続けて言った。

「ライはどんな女性が好みなの?」

言い寄って来る女性とはその場限りの付き合いだった様子だし、かなり理想が高いとか?

「……エリカまでなんだよ」

ライは憮然としている。

「だって気になるんだもの。ライの好みを知りたいの、教えてくれたっていいでしょ?」

そう言うと、ライは戸惑いながらも案外あっさりと答えてくれた。

「そうだな……しっかり自分の考えを持っている相手がいいな」

「え? それだけ?」

「それだけって大事な事だろう? 自分を持たずに何でも相手に合わせようとする女は苦手だ」

「まあ、そうかもしれないけど」

あまりに現実的な回答でちょっとびっくりした。


「まあ、内面はそうだとして分かりやすく外見はどんな子が好み?」

きっとラナ達が知りたかったのもこの辺りだろう。
内面はとても大事だけれど、てっとり早く相手の理想に近くには外見も大切。

「外見? 別にそんな拘りないけどな」

「そこをなんとか考えてよ。例えば綺麗な金の髪が好きだとか、青い瞳が好みだとか、あるでしょう?」

ライは眉を寄せて考えて居たけれど、思いついたのか含みを持った笑い顔で言った。