失敗しちゃったな……ちょっとした自己嫌悪に陥りながら、受付の脇にある小部屋に向かう。
この部屋は帳簿をつけたり、書類を整理したりする部屋。
最近の私はこの部屋に篭っている率が高い。
それにしても、私の鈍感さは問題な気がする。
宿に滞在するお客様への気遣いは出来ていると思うのだけど、男女の関係になるとどうも勘が鈍ってしまう。
レナードとエミリーの関係に、決定的な場面を見るまで気付かなかったくらいだ。今思えば曖昧な理由で結婚を先送りにされたり、仕事が忙しいと夜会でのエスコートを断られたりと、気付くきっかけは散らばっていたと言うのに。
やはり恋愛経験が少ないのが原因だろうか。
せっかく前世の記憶があるのに、恋愛面では役にたたない。手酷く振られた記憶が強烈過ぎて、それなりに幸せだったであろう恋人期間の記憶が霞んでいるのだ。
今世では、十五歳でレナードと婚約したけれど、恋心は無かったし、かと言って他に好きな人も出来なかった。
十九年間生きて来たけど、物語のヒロインのように、男性から熱のこもった視線を送られた事も無い。
私、男の人にときめいたりした事有ったかな?と改めて考えると、そう感じたのはライだけだったと気が付いた。
彼と初めて視線が重なった時、鼓動が早くなった。
初めて背負って貰った時もすごくドキドキした。
でも、それは恋じゃない。単にライが見たこともない美形だったから意識してしまっただけだと思う。だって、カミラさんに対しても同様にドキドキしたし。
私は美形に弱いのだと思う。
そう、結論して自嘲した。
私の年齢で、美形を見て喜んでいるなんてあまりに現実を見ていない。
ときめきなんて言っていないで、少しでも良い条件の相手を探さないと本当に行き遅れになってしまうのに。
だけど、そう分かっていても、行動する気になれない。
この部屋は帳簿をつけたり、書類を整理したりする部屋。
最近の私はこの部屋に篭っている率が高い。
それにしても、私の鈍感さは問題な気がする。
宿に滞在するお客様への気遣いは出来ていると思うのだけど、男女の関係になるとどうも勘が鈍ってしまう。
レナードとエミリーの関係に、決定的な場面を見るまで気付かなかったくらいだ。今思えば曖昧な理由で結婚を先送りにされたり、仕事が忙しいと夜会でのエスコートを断られたりと、気付くきっかけは散らばっていたと言うのに。
やはり恋愛経験が少ないのが原因だろうか。
せっかく前世の記憶があるのに、恋愛面では役にたたない。手酷く振られた記憶が強烈過ぎて、それなりに幸せだったであろう恋人期間の記憶が霞んでいるのだ。
今世では、十五歳でレナードと婚約したけれど、恋心は無かったし、かと言って他に好きな人も出来なかった。
十九年間生きて来たけど、物語のヒロインのように、男性から熱のこもった視線を送られた事も無い。
私、男の人にときめいたりした事有ったかな?と改めて考えると、そう感じたのはライだけだったと気が付いた。
彼と初めて視線が重なった時、鼓動が早くなった。
初めて背負って貰った時もすごくドキドキした。
でも、それは恋じゃない。単にライが見たこともない美形だったから意識してしまっただけだと思う。だって、カミラさんに対しても同様にドキドキしたし。
私は美形に弱いのだと思う。
そう、結論して自嘲した。
私の年齢で、美形を見て喜んでいるなんてあまりに現実を見ていない。
ときめきなんて言っていないで、少しでも良い条件の相手を探さないと本当に行き遅れになってしまうのに。
だけど、そう分かっていても、行動する気になれない。