「サウラン辺境伯領から徒歩でいらしたのならお疲れでしょう。当宿は規模は小さいながら、この地方では珍しい温泉と料理がございます。きっとごゆっくりと過ごして頂けると思います」

お部屋に案内しながら言うと、カミラさんは、かなり関心をもってくれたようだ。

「まあ。温泉というものは初めてです。どのようなものなのてすか?」

「入浴の一種です。温かいお湯に浸かって身体を休めることが出来ます。実際に体験頂くとその効果をお分かり頂けると思いますわ」

「そうなのですか。では早速入ってみたいのですが、よろしいかしら? 早く汚れを落としたくて」

「はい、もちろんです。ではお荷物を置いたら早速ご案内いたしますね、こちらがお泊まり頂くお部屋になります」

カミラさんが選んだ部屋は【海の間】という、テーマカラーが青の爽やかな部屋。

彼女は部屋を気に入ってくれたようだった。

それから温泉も。

ラナの案内で温泉に浸かった彼女は、出てきた時輝くような笑顔たった。

「とても気持ちよかった。温泉は最高ね」

湯上がりように用意した浴衣姿のカミラさんは、白磁の肌を紅潮させていう。

さすが美女でその様子はとても色っぽく、同性の私も見とれてしまうくらい。

ついついうっとりしていると、コンラードの手伝いで外出していたライが戻って来たようで、私のところにやって来た。

「お嬢様、コンラードさんが話しがあるらしく探して……」

そう言いかけたライは、途中カミラさんに気付くと、言葉を止め顔色を変えた。