翌日、いろいろと確認作業をしていく中、いくつか判明した事があった。

一つ目は温泉の美容効果が顕著に出るのは、私だけと言う事。

ライは前回と同じく目に見える効果は無し。
他の人も、肌や髪の艶は良くなっているのだけれど、目を瞠るような変化はなかったのだ。
対して私にはますます効果が現れていた。

「お嬢様、なんだか別人のようですよ」

ラナ曰く、肩を流れる黒髪は艶やかに輝き瑞々しく、肌は陶器のように滑らかでつい触れたくなってしまうとのこと。
顔色も良くなり、年中化粧要らずの白磁の肌に薔薇色の頬。
緑色の瞳の潤い度も上がっているらしい。

更に効果は美容だけでは無いことも発覚した。

その日、朝起きたら突然、雨が降ると感じた。

根拠はないただの勘。
だけど、その予感は的中し、次の日には久しぶりの雨が降り、この地方の人達は喜びに湧いたのだった。