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文句を言っていても仕方ないので、みんなで掃除をする事にした。

石と水面に浮いたゴミと汚れを撤去する。
濁っているお湯も流してしたり根気良くやっていると、少しずつお湯が回復して来た。

「さて、実際入ってみましょうか」

コンラードの発言に私は頷く。

「そうね、もう大丈夫そうだわ」

「ではまずはお嬢様から。我々が先に入りお湯を汚す訳には参りませんので」

「今更な気もするけど、先に入らせてもらうわね、ラナ用意しましょう」

「はい、お嬢様!」

ラナは張り切って支度を始める。美容効果に大きな期待をしているようだ。

二人して水浴び用のスタイルになり、掛け湯をしてからお湯に入る。

「うわあ……なんだか不思議な感覚です」

ラナはお風呂自体が初めてだからそうと新鮮に感じているみたいだ。

「気持ち良いでしょ?」

「はい。とっても」

ラナも実際体験して気に入ったみたいだ。
温泉の認知度が上がれば、絶対に人気が出ると思う。

村の近くに良いお湯があればいいのだけど。

「お嬢様、髪と肌はこすったりしなくていいのですか?」

「特には何もしていないわ。それに温泉の中で体を洗うのはダメなのよ」

「そうなんですか? 本当にこれだけで効果があるなんて素晴らしいけど、複雑でもありますね」

「美容効果のこと? 複雑っていうのはなぜ?」

「だってこんな簡単に綺麗になれるなら、世の中美人ばかりになってしまいます」

「……言われてみればそうだわ」

美人だらけの世の中……想像すると胸焼けがしそう。