身支度を終えて玄関ホールに行くと、ライが居た。
コンラードに服を用意して貰ったようで、さっぱりと清潔なシャツにズボンを履いている。
腰には館の護衛達と同じ剣を帯びていて、美形だけにとても様になって見えた。

「ライ、おはよう」

声をかけるとライは礼儀正しく頭を下げる。

「おはようございます、お嬢様」

「え、お嬢様?」

昨日までは呼び捨てだったのに、コンラードに指導されたのだろうか。
ライにお嬢様なんて言われると違和感があるけど、領主館で働く以上は仕方ないか。

気を取り直して、ライにラナを紹介する。

ラナはライの容姿に見惚れたのか少し頰を赤くしていた。