「あー気持ちいい」

思わず口にしてしまう心地よさ。
これって、足湯だ。
この世界には無いけれど、前世では時々【足湯カフェ】に行っていたっけ。

足を温めると全身の疲れが取れる。

ホカホカまったりした気持ちになり、目を細めた。

最高だ。ずっとこうしていたいくらい。

エミリーの事を思い出して感じた重苦しい気持ちは、もうどこかに行ってしまった。

私は、予定していた散策を止める決断を早々にすると、最高の足湯を満喫したのだ。



夕方館に戻ると、ラナが出迎えてくれた。

「お嬢様おかえりなさいませ……あれ? なんだか顔色が良いですね」

「えっ、そう? たしかに気分は良いけど」

「空気の良いところを散策されたからですかね? 」

「そうかもしれないわ、ミント村は良いところね」

なんと言っても温泉があるところが最高。

私室に戻り、姿見を見てみる。
たしかにラナの言う通り、顔色が良い。
血行が良くなっているのか頰が良い感じにピンクで頬紅要らずな感じだ。
顔の作りが変わった訳じゃなく、顔色が良くなっただけなのに、なんだか綺麗になった気がする。

気分良く部屋着に着替えようとした私は、自分の足元を見て目を丸くした。