目が覚めると、心配そうなライの顔が視界に入った。

「ライ……」

「エリカ、大丈夫か?」

その言葉で先程の出来事が一気に蘇る

「……あんまり大丈夫じゃない」

カミラさんが男だったなんて信じられない。

どう見たって美女じゃない? 
それに初めての宿泊の時の受付に女性と書いてあったはず。

だけど、あの時見たものは……カミラさんの印象とは正反対の引き締まった体を思い出してしまう。刺激が強すぎる記憶に赤面してしまうと、ライが気まずそうに言った。

「ごめんな、カッとなってあんな事をして」
「……」

そういえば、私もライの前に裸を晒してしまったんだ。不可抗力だったとはいえ、恥ずかしすぎる。

「カミルがエリカに何かするんじゃないかと思ったら、冷静さを失ってしまった。本当にごめん」

「いえ……ライは私の事を助けようとしてくれたんだものね。もういいよ」

本当にライに対して怒ってなんていない。
ただどうしようもなく恥ずかしいだけ。

「あの、カミラさんはどうしているの?」

「あいつは部屋に閉じ込めてる。もうエリカに近づく事は許さない」

「そ、そんな事してるの?」

「ああ、ふざけやがって」

ライはカミラさんに対しては今で怒り収まらない様子で、厳しい顔になる。

「……ライとカミラさんは友達なの?」

てっきり元恋人か何かだと思っていたけれど、カミラさんが男だったからそんな関係ではないと信じたい。

「昔はよくつるんでいたけど、エリカに手を出した今は他人以下だ」

「あの……特に手は出されてないけど」

ただ、一緒にお風呂に入ってしまっただけで。
非常に恥ずかしい思いをしたけれど、実際の被害はない。

でもライとしては許せないのだそうだ。


そこまで怒ってくれる事を私は喜んでしまう。

だってそれだけ私の事を心配して大切に想ってくれていることでしょう?

それにカミラさんと恋愛関係ではないとはっきりした事が嬉しい。

つい緩みそうになる表情を隠すように枕に顔を押し付けると、ライの慌てた声がした。

「エリカ? 具合が悪いのか?」

私は答えないまま久しぶりの安心を感じていた。