それでも私は走り続ける

小さな手が私の服の襟元を握り

愛しさがこみ上げた。


ノブ君と私の子。


走り続けていると

銃をもった役人が
目ざとく私を見つけて、次々と追い始める。

心臓が爆発しそう

左足が燃えるように熱く痛い

一度転んだら
もう二度と起き上がれない。

殴られ蹴られ
見せしめの為
そこで殺されるのは間違いない。

身体が悲鳴を上げている
酸欠で頭も痛い
いっそ倒れたら楽になるのに

もう無理なのか

世界は変わろうとしているけれど

それは
まだ今じゃないのか

助けて
この子を助けて

ノブ君。