だってあの時、いっちゃんは……。

「好き」

だと。

そう言ってくれたから。

「ほらほら、由さん?いいの?くまさん見なくて?」

「み、見る!」

心臓がばくばく音を立てている。

全身を巡る血液がふつふつと温度を上げる。

呼吸すらもままならない。

だから、取り敢えずは無視しよう。

この感情を無視して目の前にいるくまさんに集中しよう。

そうじゃなきゃ!

心臓もたないって!

死んじゃうって!