「な? あるだろ? 別になんだっていいじゃん。今まではなにもなかったのかもしんないけど、今は雪下さんが気になって雪下さんになら冷たくされても頑張れる、仲良くなりたいって思うんだろ? それだけでなにか見えてくるかもしれないし。具体的なことは言えないけどさ、ほんの些細なキッカケで大きく変わることもあると思うけどな」



 俺にとっては……雪下さんが……。



「とりあえず、あと少し勉強して帰るか」


「……あぁ」




それから俺達は一時間ほど経過した十八時頃に図書館を後にしたが、勉強はあまり頭に入らなかった。


大和の言ったことは、なに一つ間違っていない。

明日からの俺がなにをするのかと考えた時、やっぱり最初に浮かぶのは雪下さんの顔だったから。

雪下さんに話しかけよう、また目を見て会話がしたい。


こんな俺でも頑張れば、なにかが変わるのだろうか……。