「だから、明日朝一緒に行こう」
「なんで?」
そう思うのは当然だ。高校に入学してから一度もそんなことを言われた覚えはない。
俺よりも理紗の方が先に学校に着いていることが多いし、子供じゃないのだからわざわざ待ち合わせをして行く必要もない。
理紗もそう思っているからこそ今までなにも言ってこなかったのだろうけれど。
「なんでって、別に理由はないけど……」
「合わせるのも面倒だし、別にいい」
「いいから! 明日の朝、彰の家まで行く。決定ね」
強めの口調で一方的にそう言って、理紗は立ち上がった。
駅に着くと、理紗はさっさとホームの階段を下りて行ってしまった。
明日の朝は一緒に行くと言ったくせに今は俺を置いて一人で帰っているし、わけが分からない。
本当に明日迎えに来るつもりなのか?
首を傾げながらのんびりと階段を下りると、既に理紗の姿は見当たらなかった。
改札を出て空を仰ぐと、薄墨色の雲が一面に広がっている。今にも雨、もしくは雪が降り出しそうだ。
コートは重くて邪魔くさいから学校にはまだ着て行ってなかったが、明日は着るかな。
ブレザーのポケットに手を入れて、家まで十分の道のりを歩き出した。
「なんで?」
そう思うのは当然だ。高校に入学してから一度もそんなことを言われた覚えはない。
俺よりも理紗の方が先に学校に着いていることが多いし、子供じゃないのだからわざわざ待ち合わせをして行く必要もない。
理紗もそう思っているからこそ今までなにも言ってこなかったのだろうけれど。
「なんでって、別に理由はないけど……」
「合わせるのも面倒だし、別にいい」
「いいから! 明日の朝、彰の家まで行く。決定ね」
強めの口調で一方的にそう言って、理紗は立ち上がった。
駅に着くと、理紗はさっさとホームの階段を下りて行ってしまった。
明日の朝は一緒に行くと言ったくせに今は俺を置いて一人で帰っているし、わけが分からない。
本当に明日迎えに来るつもりなのか?
首を傾げながらのんびりと階段を下りると、既に理紗の姿は見当たらなかった。
改札を出て空を仰ぐと、薄墨色の雲が一面に広がっている。今にも雨、もしくは雪が降り出しそうだ。
コートは重くて邪魔くさいから学校にはまだ着て行ってなかったが、明日は着るかな。
ブレザーのポケットに手を入れて、家まで十分の道のりを歩き出した。