〈ミキさんへ

ミキさんに、相談があります。
こんなこと、ミキさんに相談してもいいのかどうかはわからないけれど。

わたしには、好きな人がいます。

高校に入って初めての席替えで、わたしは彼と隣同士になりました。
ほとんど話すことはなかったけど、わたしは彼のことが気になって、いつも彼を見ていました。

テストのとき、彼が斜め後ろの席の彼の友達に、こっそり答案を見えるように置いてあげていたこと。
クラスで浮いている男子にわざと冗談を言ってからかって、みんなの話に入れるようにしてあげていたこと。
普段は友達とふざけたり、ぶっきらぼうな彼のちょっとした優しさに惹かれて、わたしはいつのまにか、どこにいても彼を目で追ってしまうようになっていました。

一度だけ、彼に貸したシャーペンを、彼が壊してしまったことがありました。
彼は、わざわざ新しいシャーペンを買って持ってきてくれました。だけどわたしは、そのとき壊れたシャーペンも、彼が買ってくれたシャーペンも、いまだに一度も使えずにいます。なんだかもったいないような気がして。

二年生になって、また彼と同じクラスになりました。
だけどやっぱり、わたしは彼に自分から話し掛けることはできませんでした。

勇気のないわたしに神様がチャンスをくれて、わたしは彼と二人で話をするようになりました。そして今日、彼に駅まで送ってもらったんです。

嬉しくて、ドキドキしました。
別れ際に、彼がまた話そうと言ってくれました。
わたしは彼に、好きな人がいることを知っています。
だけど、わたしは嬉しかったんです。

ミキさん、わたしはどうしたらいいですか?
男の子とふたりで話すことなんてほとんどなかったから、どうしたらいいかわかりません。
できることなら、少しでも魅力的な人に見せたいです。
いきなり変な相談、ごめんなさい。

ナナ〉