三時間目が終わった頃、何気に携帯をチェックすると森田からのメッセージが届いていた。

〈もうすぐ美貴ちゃんの誕生日やな!ってことで、慶太くんにお願いやねんけど、美貴ちゃんの欲しいものを何気にリサーチしといてくれへんかな?俺がサプライズで誕生日にそれをプレゼントするって計画です!よろしく!〉

「まじかよ…」

内心うぜー、と思いながらも、つい〈わかりました!〉と景気のいい返信をしてしまう俺。すぐさま既読になって、跳び跳ねて喜ぶウサギのスタンプが送られてきた。

姉の誕生日なんて、弟の俺でもすっかり忘れていたくらいなのに、サプライズでプレゼントなんて意外とマメで良い奴だ。だけど、きっと姉貴も俺と同じようにうぜー、と思うんだろう。姉貴はそういう奴なのだ。

ついでにブログを開いて昨日の夜に『ナナ』に返信したコメントを見返してみると、なんだか少しだけ恥ずかしくなった。

だけど、早速『ナナ』からコメントの返事に対する返事が返ってきていてちょっと驚く。

〈ミキさん!お返事ありがとうございます!他の人にとっては小さなことでも、自分にとっては世界の終わりみたいに悲しく感じることってありますよね。
…なんて、ミキさんだから言えることですが。
友達に言ったらきっと笑い飛ばされてしまうような些細なことです。
水の中を泳いでいる魚たちにも、悩みはあるのかな。ナナ〉