朝礼が終わり、タケノコが教室を出ていくと、みんながざわざわと立ち上がる。

自然にさっき分けられた三つのグループの仲間同士が集まって、「どうするー?」「いつやるの?」「誰がまとめんのー?ってか成績に入るとかまじだりー」なんて言い合っている。

みんな、メンバーの顔ぶれを見ながらお互いに、誰がどこまでやってくれるのか、得意そうな奴やリーダーになれそうな奴は誰かを探りながら、できることなら自分はあまり何もせずに、かつ良いものが出来て成績にも加点されたらいいなーなんて。たぶん誰もがそう思っている。

俺のグループの中心にいるのは声だけデカくてうるさいだけの中岡と、女子の中ではやっぱり七瀬さんだった。
七瀬さんの回りに集まる女子がみんなして、好き勝手なことを話し合い始める。

「やっぱり誰かリーダー決めなきゃね」

「誰か得意なひといるー?パソコンも使える人がいいよね」

「あたしはパスー、文章とか苦手」

目立つ女子は、たいてい壁新聞みたいな地味な作業が好きじゃない。
これが文化祭のウエイトレスとかだったら「やるやるー」なんてすぐに手を挙げるだろうけど。