「なんじゃこりゃ!」
思わず声に出してしまう俺。
本物のミキ?
あたしが質問に答えます?
「あいつ……やりやがった!!」
俺のパソコンを勝手に触れる本物のミキ。
そんなのは世界に一人しかいない。
姉貴が、美貴が俺のブログを乗っ取ったのだ。
「くそっ……なんで勝手に……」
焦りと怒りと、でも最初に勝手に写真と名前を使ったのは自分だという罪悪感も手伝って、美貴の部屋に怒鳴り込むことが出来ない俺。
復讐された?そうとしか思えなかった。悔しいけれど、読者の数が爆発的に増えていることが更に腹立たしい。
マウスで画面をスクロールして、本物のミキのブログの続きを読み始める。
〈ナナちゃん。
相談読みました。
あたしはそんなに素敵な女性でもないし、ナナちゃんの相談に乗ってあげられるかはわからないけれど、同じ女として、気持ちはわかる。
わたしにも、ずっと前から好きな人がいます。
好きな人に好きな人がいて、だけど好きになっちゃうこと、あるよね。
みんな、そういう経験あると思う。
もっと彼を知りたいなら、話したいって言ってくれたなら、話せばいいじゃん!もったいないよ!
彼があなたと話したいと思ったのは、あなたが魅力的だからだよ。あなたと話すのが楽しいからだよ。
自信を持って。ナナちゃん。
本物のミキより〉


