『冗談だってぇー、で、何してたっけ?』
「Siriさん通話切れてるよ」
『ああああああ!おいシメジぶっ飛ばすぞあの野郎ちくしょう!』
余所見をしていたせいで設楽会長はもう既に通話を切っていた。しかもアオが叫びながら電話を掛け直すがなんとおめでたいことに着信拒否にされたらしい。設楽会長最高。
「っていうか何で会長の電話番号知ってんの」
『ん?ああ、山吹先輩から聞いた』
「要らなくね?」
『いや、会長に電話掛けてホラー映画聴かせようかなとか思ってた』
「最低だな」
本当に馬鹿の考えることは何一つ理解できない。アオは現在の問題解決に使い物にならなくなってしまったスマホをポケットに仕舞い、代わりに風船ガムを取り出すともぐもぐする。
『ていうかさあ、なんで校則なんてあるの。どうでもよくない?』
むう、と頬を膨らませた南ちゃんが本音を零す。確かに高校生の私達にとって校則はなかなか面倒だ。破れば、の話だが。